腹膜透析外来
腹膜透析とは
腹膜透析とは、患者さんのお腹の「腹膜」を利用し、血液をろ過する透析方法です。
お腹の中に透析液を一定時間ためておくと、腹膜を介して血液中の老廃物や水分が透析液側に移動します。その老廃物や水分を含む透析液を身体の外に出すことで血液をきれいにする仕組みです。
腹膜透析の手順は、まず透析バックをお腹のカテーテルにつなぎ、透析液を注入。一定時間ためた後に排液します。1回の交換にかかる時間は30分程度です。これを1日に何回か、生活スタイルに合わせて行います。
腹膜透析の種類は、就寝中に透析液の交換を自動的に行うAPDと、日中3~4回透析液を交換するCAPDがあります。
腹膜透析の特徴は、基本的に自宅で、患者さん自身または家族が行えること。清潔な場所であれば、職場や学校、旅先などでも交換可能です。そのほか、残っている腎臓の機能が長く保ちやすい、心臓への負担や血圧の変動が少ないといった点もメリットといわれています。
腹膜透析外来について
まずはお腹にカテーテルを埋め込む手術を行います。
腹膜透析導入時には患者さんが自宅で安心して透析を行えるよう、病棟看護師や臨床工学技士が指導を行います。
通院は月に1〜2回程度です。
外来では胸部レントゲン検査で患者さんの心臓の大きさをチェックし、余分な水分が体内に残っていないか確認します。また、栄養状態や電解質のバランスなどを確認するための採血も実施。採血結果がでるまでに、何か問題はないか、尿量や体重に変化はないかなどを担当看護師が確認します。
透析が長期になると、合併症のリスクが高まります。合併症を早期発見・治療できるよう、骨密度検査や胃カメラ、各種エコー検査なども定期的に行う必要があります。
腹膜透析認定指導看護師として働く
腹膜透析認定指導看護師は、日本腹膜透析医学会が認定している資格です。腹膜透析治療分野における専門的な知識とスキルを有している証になります。
腹膜透析は自宅や職場でも行える透析方法です。患者さん自ら透析を行うため、本人とその家族に対する教育や指導、サポートが非常に重要になります。腹膜透析への不安を抱える患者さんと家族をサポートするのが、専門知識とスキルを有する腹膜透析認定指導看護師です。腹膜透析認定指導看護師は非常に重要な役割を担うため、透析看護に関わる看護師は取得しておくと重宝されるかもしれません。
腹膜透析認定指導看護師の資格を取得するには、腹膜透析教育研修医療機関の研修を修了し、 「認定可」の評価を得る必要があります。
受験資格があるのは、研修受講時に日本腹膜透析医学会の正会員である看護師または准看護師です。
また、年2回開催される腹膜透析基礎セミナーを1回以上を受講する必要もあります。
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